市民社会と法

1労働法

1-1
労働法では、従属労働と評価している。
労働者の地位は低い、弱いとしている
a取引上の地位(経済的従属)
b使用者の指揮命令で働く(人格的従属)

 

1-2生存権の保障
憲法25条
従属性ゆえに低賃金、長時間、危険、失業等の弊害
自分や家族の生存さえ危険になる

 

1-3団結権
憲法28条
交渉力を高めるために、団結

 

他、
労働者人格権として、幸福追求権(憲法13条)自己決定権(髪型)、プライバシー権(健康情報の自己管理)

2労働契約

労働契約が出発点
自動車免許には、道路交通法
会社で働くには労働法の知識がいる・・・とも言えるが知っている人は少ないかも

 

労働契約決定まで
会社と労働者、労使の合意
対等での合意が目指される(労働契約法3条)建前だが重要
契約内容は、契約書の文書、面接の時の発言。面接の発言も、労働契約だが、証明は難しい。
文書で残すことが重要。自分を守るためにも労働条件を知ることは重要

 

外形的な行為、職場の実態から契約内容が推定されることもある。
黙示の合意
労使慣行
契約書が整備されていない中小、零細では労使慣行が重要

3労働契約による労働条件の変更

契約の変更は問題、紛争がある。
使用者は一方的に変更することはできない。合意が不可欠。実際には、NOということはかなり難しいが・・。黙認すれば、合意とみなされる。
黙認・労働者に明確な判断をさせるために、十分かつ適切な情報提供や説明を義務付けるべきという判断も裁判所で示されている。

 

駸々堂事件
時給減額。
使用者が、時給を減額しても解雇しない(できない)という情報を十分与えなかったので、動機の錯誤(民法93条)に陥ったから黙認した。
この合意は無効。インフォームドコンセントの法理。
実際は、けっこうあるんじゃない?今でも・・。

 

変更解約告知
スカンジナビア航空事件
使用者が、労働条件の変更を提案、受諾しない場合は解雇するという通知。
実質は、使用者による一方的通知になりがち。

4 最低基準

契約の自由、労使の合意が建前だが、実際には
適性な労働条件の確保のため、労働法は、契約の自由を制限している。
労基法
刑事罰あり、最低を満たさない部分は無効
合意しても無効である。個別の合意に優先するとので、労働法は強行法規である(最低賃金法、男女雇用機会均等法も)
労基法の欠点は、刑事罰があるため、解釈、適用が厳格になされる。使用者の人権を守るために、慎重に運用される。罪刑法定主義。柔軟な運用を阻害する面もある。
賃金不払いは労基法24条違反。しかし賃金額を争うと、違反の判定は難しい。
最近は刑事罰のない法律。男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、高齢者雇用安定法、労働契約法。民事的効力しかないのだが、柔軟な解釈ができる。労働者の意思で権利主張ができる。

 

5 個別立法

5 個別立法

 

5-1
労働契約に関するもの
会社の分割等でも従業員身分の継承
就業規則と労働契約の関係

 

5-2-1
労働条件
最低賃金法
 都道府県ごとに
賃金支払い確保法
 未払い賃金は国が立て替えて払う
5-2-2
労働時間、労基法1日8時間週40時間
適用除外、緩和除外もある。
労働時間等設定改善法、企業の労働時間短縮支援
5-2-3
労災、安全衛生
労基法、労働者災害補償保険法、じん肺法、労働者安全衛生法
労働者災害補償保険法、労災に対して、社会保険として給付、通勤災害も
5-2-4
育児介護についての育児介護休業法

次世代育成支援対策推進法の少子化対策

 

5-3
特定の雇用形態、労働者層
5-3-1
家内労働法、労働者派遣法、パート法
5-3-2
障害者雇用促進法、男女雇用機会均等法、高年齢者雇用安定法

 

5-4
雇用保障
5-4-1
労働契約法
解雇は相当の理由、差別的な解雇を禁止
5-4-2
職業安定法
職業指導、職業紹介
雇用保険法
失業保険、

 

5-5紛争処理
労働局
裁判所、労働審判法
各地の労働委員会

6就業規則

就業規則は重要。実際の労働条件はこれによる

 

労基法では、常時10人以上の使用は就業規則が義務。
就業規則は、使用者が一方的に決めることができる
過半数の代表の意見聴取は義務だが、同意は必要ではない。
最低基準であり、労働者、使用者ともに拘束される。
ボーナス、退職金、出向なども、これが優先
合理性は求められる。無断欠勤3日で懲戒解雇という就業規則は効果をもたない

 

裁判においては就業規則の解釈が問題になった。

7 就業規則の多様な効力

秋北バス事件
1労使間の労働条件の決定においては、合理的な就業規則は個々の労働者に適用される
2新たな就業規則によって既得権を奪い労働者に不利益な条件を一方的に課することは原則できない。
3本件の定年制度新設は合理的問題と言える。

 

ポイントは、不利益問題の際の「合理性」
その後の裁判も多かったが、これを争う際に4つのポイント
1不利益か否か
出向義務規定、賃金計算の方法など
2 個別適用
退職金支給率を切り下げた朝日火災海上保険の例( H8.3.26)
3 不利益の程度
不利益の程度が弱いとされた例。
賃金算出ルールは変更されたが額はかわらない。
時間外手当など
4 代償措置の有無
退職金規定の変更で代償措置がない、合理性がない

 

個別に多様な判断があるため法整備
2007 労働契約法が立法された
就業規則の効力を定めた。
1最低条件として効力(12条)
2 労働契約内容(7条)
労働契約と就業規則が同じことを定めている場合
労働契約に定めがなく、就業規則い定めがある場合
3労働条件を不利益変更する効力(10条)
合理性と周知が要件
まだ曖昧さが残る。

8労働協約

労働組合と使用者の間の労働協約
労働協約は強い
1 組合員だけに適用 しかし、3/4以上が適用対象なら組合員以外にも適用される
2 不利益な変更でも、協約は強い。組合に反対者、一部の不利益者がいても

 

特定の労働者だけ不利にすることを民主的に組合で決められるか?

9全体の関連

 

 

最低基準は労働基準法
労働契約、就業規則、労働協約は下回れない。

 

労働協約があれば、有利、不利を問わずに優先される
労働協約がない、労働協約が規定していない、就業規則が最低基準
有利な個別契約は、契約自由

10 労働組合 団結権の保障

10 労働組合
労基法は最低基準。就業規則も使用者の一方的決定。
良好な労働条件は厳しい
組合による労働協約が一番、労働者の意向を反映する。
前提は団結権(憲法27条)
労働組合法
団結、団交(争議)、協約
団結権、団交権、争議権の保障

 

11 団結権の保障
組合員であることを理由の解雇、組合活動の介入は禁止。不当労働行為。
裁判所ではなく、労働委員会による救済される。


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