生涯学習 社会人大学の勉強ノート

1 不法行為法

不法行為法という名前の法律、法典があるわけじゃない。
不法行為に関する規定の全体を指して、不法行為法という。

 

基本的な仕組み
 不法行為の成否
 損害賠償の範囲
 賠償額の算定

 

不法行為法の目的、機能は、損害補てん、被害者救済
誰と誰に、生じた損害をどう分担するか
副次的に、制裁機能、事故予防機能がある。

 

 

類型と無過失責任主義の特別法

 

一般不法行為
 故意または過失で賠償責任を負う 過失責任主義
 被害者(原告)が立証する必要がある。
 誰でも、加害者として訴訟される可能性がある
特殊不法行為
 監督者責任
  中間責任
 使用者責任
  中間責任
 工作物責任
  占有者:中間責任
  所有者:無過失責任
 動物飼育者責任
  中間責任
 共同不法行為
無過失責任主義的な特別法

 国家賠償法
 自動車損害賠償保障法
 公害諸立法(大気汚染防止法、

 

中間責任とは、
 過失の立証責任は、加害者にあるケース
 自分には過失がないと証明する必要がある。

 

 

民法709条、4つの要件は、原告が立証
 故意、または過失による加害行為
 権利または法律上保護される利益が侵害された
 損害が生じた
 加害行為と損害の間に因果関係がある
 また
 責任能力
 違法性阻却事由
 は、加害者が立証すれば、原告の請求を退けることになる

 

2 一般不法行為の要件

1 故意または過失
 故意:結果を認識しながらあえて行う
 過失:損害の発生を予見し防止する注意義務を怠る
  予見可能性と結果回避可能性があることを前提
  大阪アルカリ事件
   農家36人が提訴
   大阪アルカリの有毒ガスで米麦の収穫が減少した。
  公害、薬害、注意義務、パターンが定まっていない。
   (自動車事故とは違う)
   原告の知識が足りない、過失の推定、原告の立証責任が軽減される。
 交通事故
  自賠法3条
   原則として賠償責任を負う
    過失がなかった
    被害者に過失があった
    自動車に欠陥がない

   免責を厳しくしている

 

2 権利または法律上保護される利益を侵害
 雲衛門事件
  即興的音楽だから著作権侵害に当たらない
  大正3年
  法律上権利が確立しているもの限った
 大学湯事件
  大正14年
  老舗=屋号、ノレン
  老舗の料金を払った
  原審、老舗は権利ではない、認めない、権利として確立していない。
  大審院、民法792条を、広く解釈し、、不法行為の要件を権利の侵害ではなく、違法性であるとした
  差し戻しの裁判では、賃貸を解除の時点で、大学湯の老舗は、一度消滅したとした

 

 権利侵害は、違法性の徴表である。「法律上保護される利益」が明文として加わった。

 

3 損害の発生
 損害
  財産的損害
   積極的損害 既存財産の減少
   消極的損害、逸失利益、将来の損害
  精神的損害
   損害賠償の責任を負うものは、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

 

4 因果関係
 不法行為成立の因果関係
  事実的因果関係
  訴訟上の因果関係は、100%の自然科学的な証明ではない。
 賠償範囲の因果関係
  設例1の院内感染は、含まれない。通常の判例。

 

 イギリスのハードリー事件で確立、日本の民法に影響

 

 

5 責任能力
 当該行為の判断能力、行為の性質から個別に判断する
 親権者が管理責任を負うのは、責任能力がない場合
 使用者責任は、従業員に責任能力を認めることが前提

 

6 違法性阻却
 正当防衛
 緊急避難

3 損害賠償の範囲と減額調整

不法行為の効果

 

賠償は、金銭賠償を基本としている。
茅葺屋根の再建は無理。不可能。
金銭で賠償するのが原則

 

原状回復は特別
723条名誉
名誉を回復するための適当な処分
謝罪広告など

 

差し止め
違法行為の原因を除去する
名誉、プライバシー、生活妨害などで認められる

 

名誉を誹謗する看板
工場のばい煙

 

金じゃないんだよ、あれを何とかしてくれよ、と。

 

北方ジャーナル事件
S61年の最高裁
違法性のみが要件とされた。

 

賠償額の減額

 

損益相殺
 不法行為から利益を得た場合、それを相殺する
過失相殺
 被害者に過失がある場合
  (自動車事故なら、たいていある)


----------------------------------------------

第9回 損害賠償関連ページ

概要と目的・動機など
放送大学の「市民社会と法」 概要と目的・動機など
感想・受講結果・成果など
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」感想・受講結果・成果
第1回 法的な世界の成り立ち
第1回 法的な世界の成り立ち
第2回 法と権利保障
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」 第2回 法と権利保障
第3回 諸法の相互関係と法の解釈
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」第3回 諸法の相互関係と法の解釈
第4回 刑法のある風景 刑法の役割
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」第4回 刑法のある風景 刑法の役割
第5回 正当防衛と緊急避難
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」第5回 正当防衛と緊急避難
第6回 情報を盗むことの刑法的意味
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」第6回 情報を盗むことの刑法的意味
第7回生活と民法
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」第7回生活と民法
第8回 売買
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」第8回 売買
第10回 労働条件
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」 第10回 労働条件

サブメニュー