生涯学習 社会人大学の勉強ノート

1 現行刑法の情報保護の限界

他人の財物を盗めば窃盗罪だが、情報はどうだろうか。
現在社会は情報社会だが、情報は財物ではない。

 

情報とは、
あることがらについてのしらせ。
社会的にみて重要な知識

 

個人情報、医療情報、企業情報
社会で許されない行為に対する刑法
社会は変わる。刑法は1907に成立
刑法が社会に追いついてない。
処罰が妥当な行為でも、罪刑法定主義で処罰できないという事態もおこる。
情報もそのひとつ

 

刑法134個人情報、秘密漏示罪
弁護士、医師、薬剤師など。比較的軽い
信書開封罪もある。

 

社会経済の発展は、個人情報だけではなく、経済的価値の高いものができてきた。
明治時代の刑法では、対応できない。ギャップを埋める

2 改正刑法草案の挫折

刑法など法律は時代にあわせて変えていく。
立法だが、簡単ではない。
特に刑法は、国家の刑罰権で重要。

 

1970代、高度経済成長
産業スパイ。

 

1974改正刑法草案
10年以上の準備をした。
法務省はがんばったが、学会、弁護士会から猛反対。
マボロシの法案
企業秘密漏示罪があった

 

まったくの新設。
具体例
従業員が、転職で情報をカメラで。ライバル会社に渡した。
処罰できない。

 

外部からの不正利得 窃盗
内部からの漏洩 秘密漏示

 

改正刑法草案の314条

 

産業スパイの犯人だけならいいが、誰にでも適用される
一般市民にも適用される心配

 

反対理由
消費者運動を減殺する効果を有する。原価を探る、公害を調べる。
産業スパイという流行語にとびつくな、軽率だ。不正競争防止法の整備が望ましい

3 裁判所の検討 情報を盗めば犯罪か

立法がない無い間の裁判所の対応

 

A 書類を会社のコピー機でコピー
B コピーの目的で持ち出し戻す
C カメラなどで撮影

 

A Bは窃盗罪が成立とするとした。

 

1965 大日本印刷事件 Aを窃盗とした
 全体的に紙の窃盗ではない。
1984 新薬産業スパイ事件 Bを窃盗とした
 一時使用では、不法領得の意志がないとされるのが判例。
 しかし戻したとしても、それは事後処分に過ぎない。

4 判例の検討

情報の大きな価値には触れず、窃盗の枠内で解決をした

 

窃盗の財産的価値の移転が、情報の場合にはない。

 

盗む人盗まれる人
10万円の時計は、得る人と失う人。財産的移転。
情報のコピーの場合は、移転していないことになる。

 

かなり苦しい判決だった。

 

東洋レーヨン事件では、背任で立件した。
無罪となった。会社に対する義務、雇用契約に基づく忠実義務
背任罪は成立しない。

 

1985綜合コンピューター事件
背任罪を認めた。

 

業務上横領罪としたこともある。
無形の企業情報で横領罪は無理がある。

 

刑法の財産犯規定(窃盗、背任)では限界がある。
立法で対応すべき。

5 不正競争防止法の改正

2003営業秘密侵害罪が新設
2005、2006と刑罰が重くなった。

 

個人情報保護法に比べたら、営業秘密侵害罪は、非常に重い

6 インターネット

1987の改定、電磁的記録
詐欺、不正作出、損壊行為
不正入手と漏示は見送られた。
電子計算機使用詐欺罪もできた。

 

1999年
不正アクセス罪


----------------------------------------------

第6回 情報を盗むことの刑法的意味関連ページ

概要と目的・動機など
放送大学の「市民社会と法」 概要と目的・動機など
感想・受講結果・成果など
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」感想・受講結果・成果
第1回 法的な世界の成り立ち
第1回 法的な世界の成り立ち
第2回 法と権利保障
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」 第2回 法と権利保障
第3回 諸法の相互関係と法の解釈
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」第3回 諸法の相互関係と法の解釈
第4回 刑法のある風景 刑法の役割
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」第4回 刑法のある風景 刑法の役割
第5回 正当防衛と緊急避難
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」第5回 正当防衛と緊急避難
第7回生活と民法
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」第7回生活と民法
第8回 売買
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」第8回 売買
第9回 損害賠償
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」第9回 損害賠償
第10回 労働条件
管理人自身が生涯学習として学ぶ記録とノート。放送大学の「市民社会と法」 第10回 労働条件

サブメニュー