生涯学習 社会人大学 刑法

刑法とは何か

刑法のある風景 刑法の役割
白取祐司教授

 

刑法とは何か。
法律のひとつ。国会で定めた規範
法律の中でも、刑に関する法、国によっては犯罪法(Criminal Law)
犯罪と刑罰に関する法律

 

刑法と刑法典(日本では明治)

1 刑法の意義

ギリシャの哲学者 刑法議論をしていた
太古の昔から

 

何が犯罪かという議論あるが、、まずは刑罰
刑罰はサンクションのひとつ
要件と効果

 

殺人という要件で、死刑という効果

 

死刑が嫌なら、殺人をしない

 

サンクション
道路交通法の罰金
離婚の慰謝料

 

サンクションでは刑罰が一番重い
死刑が一番。苛酷
なぜ、国家は許されるのか
刑法の目的はなにか。昔からの議論、正解はない。

2 なぜ人を罰するのか 刑罰の目的

何らかの非難すべき行為、犯罪ー>サンクション

 

1応報

 

目には目を
被害者の苦痛と同じ苦痛
時代が進むと報復的な要素は薄れていく
が、実際の裁判でも、市民感情も含め、適用される
殺人1人と2人で、無期か死刑か

 

 

2予防

 

今後の犯罪を予防することを期待する。
一罰百戒
刑法典に「詐欺は10年」とあれば、詐欺を思いとどまるだろう、と。
サンクションで再犯を予防する。
過去の犯罪に対しての刑罰だが、将来の予防

 

応報は、犯罪者と正面から
予防は、刑罰を手段として、社会の秩序を守る

 

社会的に影響が大きければ、重いサンクション
応報の立場からは、刑罰が手段になると非難される

 

道路交通法など、刑罰の事前警告で、抑制(予防)になっている

 

犯人自身に目を向いていないー>教育

 

 

3教育

 

刑罰は教育である
新しい考え
19Cの後半から20Cに出た。
フランス マルク・アンセル「新社会防衛論」
教育によって、社会に戻す
報いではない。

 

そのままは適用されないが、
刑務所は、苦痛の場だけではなく、教育の場としても
職業訓練などかなり採用してきている

 

 

現在の刑法学では、応報、予防、教育のすべてがある
応報が基本であるという学者が多い

3 何を犯罪とするか、刑法の目的

何故禁止するのか、犯罪とするのか

 

1道徳 規範違反説
重大な道徳違反
人を殺す、物を盗む
特に市民に強制することになった、とする
最小限の倫理規範を維持する目的
刑法が社会の倫理秩序を保護している。
今でも有力な見方だ。

 

2国民は社会の利益を守る 法益侵害説

 

物を盗むことを罰するのは、利益を奪ったから
Rechtsgut ドイツ語 法益

 

道徳、規範違反説を批判する。
上から、道徳的な規範を強制するのは、問題がある。

 

2つは実際には重なることが多い。

 

被害者のいない重大な道徳違反を犯罪とするか

 

尊属殺人の問題。
刑法200条
憲法の下の平等原則に反するという主張
尊属を大事にするのは道徳的、あるいは背徳性が高いともいえるかもしれない。
が、刑法と道徳は分けるべき。

 

アメリカの禁酒法
1920年に施行。飲む、販売、生産が全部禁止
1933年、結果的に廃止。

 

 

刑法は道徳に踏み込む強制するのは、難しい

4 罪刑法定主義

刑法が明確な法律の文言で定められなければならないのはなぜか

 

罪刑法定主義は、日本以外先進諸国で採用されいる原則
憲法や刑法に明確に条文にはなっていない。

 

罪、犯罪
刑、刑罰
法定、法律で定める
主義、原則である。

 

国会で民主的手続きで成立した規範

 

刑法は法律によって定められていなかればならない。

 

1、類推解釈の禁止
物を盗む、窃盗罪 235条、物だけ。データーはNG

 

火炎瓶を使った事件
爆発物。火炎瓶は該当しないという最高裁の判決。
が、1972年に火炎瓶の使用制限に関する法律

 

2、遡及処罰禁止

 

火炎瓶の使用制限に関する法律ができたが、それ以前の火炎瓶には適用されない。
憲法39条で規定されている。

 

 

3、明確性

 

勝手な解釈をする余地をなくす

 

4、均衡

 

刑罰と犯罪も均衡が必要
不定期刑は許されない。

 

刑法の暴走を防ぐための4つの派生原則は守らねばならない。

5 刑事手続と刑法

刑法の暴走を防ぐには、刑法典だけではなく、実際の運用も大事

 

犯罪の成立の確認
 どの法律にあてはまるか。あてはならない場合は社会的、道徳的に非難されることでも処罰できない。立法することになる。
違法性の有無の確認
 刑法で規定されていることは違法なので、正当防衛など違法性阻却事由の確認
責任の有無、程度を確認
 犯罪の認識、過失、精神状態

 

刑法は、国家の刑罰から個人を守るマグナ・カルタでもある。
国家が市民を罰する限界を定めている。
市民を守るものであり、わかりやすくないといけない。


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